【コロナ禍】新婚医師のアメリカ留学記【ニューヨーク州】

コロナ禍で送る海外留学新婚生活日記 (時々真面目な医療ニュースも)

牛乳が高齢者の骨折を予防する?介護施設での乳製品を増量した結果の最新論文を紹介

今回は身近な?最新論文を紹介したいと思います。

昔から牛乳を取ると骨が強くなるとか言われてますが、

実際にこれを検証した論文になります。

一流誌のBMJ(impact factor 30.223)に掲載されたものになります。

Iuliano S, Poon S, Robbins J, Bui M, Wang X, De Groot L, Van Loan M, Zadeh AG, Nguyen T, Seeman E. Effect of dietary sources of calcium and protein on hip fractures and falls in older adults in residential care: cluster randomised controlled trial. BMJ. 2021 Oct 20;375:n2364. doi: 10.1136/bmj.n2364. PMID: 34670754; PMCID: PMC8527562.

 

対象は、計60の介護施設に入所していた7195人の居住者です。

 

細かい話をすると、

もともとビタミンDは十分に摂取できていたが、カルシウム摂取量が1日あたり平均600mgで、蛋白摂取量が体重1kgあたり1g未満の食事となっていました。

30施設は食事をそのまま、もう30施設は食事に乳製品を増やして、両者を比較しています。

 

乳製品を増やした内容というのは具体的には牛乳・ヨーグルト・チーズの3種類でした。

これにより、平均でカルシウム摂取量が1日あたり1142mg、タンパク摂取量が1日あたり平均69g(体重1kgあたり1.1g)となりました。

 

その結果となりますが、また一つ図表を紹介します。

f:id:yambo38:20211119050039j:plain

Fig.2より引用

 

fractureが骨折という意味で、hip fractureが大腿骨近位部骨折(高齢者で多い!)、

Fallsが転倒、Mortalityが死亡になります。

黄色の点線が従来の食事で、実線が乳製品を増やした食事を接種した群になります。

 

これを見ると、

乳製品を増やした群では、

骨折リスクおよび転倒リスクが明らかに減っていることが分かります。

 

具体的な数字では、

全ての骨折を33%減少させ、大腿骨近位部骨折は46%減少、転倒は11%減少させました。

死亡には差は認めない結果でした。

 

高齢者だと骨折したりすると、その後のADLに大きく関わってくることがあります。

その後歩けなくなったりして、寝たきりに近くなると本人も周囲も大変です。

健康なものだと思って極端に摂りすぎたりするのは良くないことですが、

今後超高齢化社会を迎える日本において、

高齢でも健康を保てるように食事管理を色々と考えていくことは大事ですね。

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