【コロナ禍】新婚医師のアメリカ留学記【ニューヨーク州】

コロナ禍で送る海外留学新婚生活日記 (時々真面目な医療ニュースも)

子宮頸癌ワクチンの積極推奨再開の背景には?主要先進国で唯一大幅増加中の日本の子宮頸癌患者数と今後の推移を最新論文から見てみる

最近の日本のニュースで子宮頸癌ワクチンの積極推奨が再開を検討すると報道がありました

news.tv-asahi.co.jp

 

これは医療者の間ではよく知られている話ですが、

子宮頸癌ワクチンの接種率は日本は世界の中で圧倒的に低く、

世界では子宮頸癌の患者数はどんどん減っているのに、

日本がどんどん増えている現状をみてのことでしょう。

 

 

 

そこで、実際に最新論文から世界の子宮頸癌の患者数と、

このまま経過した場合の今後の推移の予測したデータを紹介したいと思います。

 

Cancer(Impact factor 6.860)という雑誌の論文になります。

Lin S, Gao K, Gu S, You L, Qian S, Tang M, Wang J, Chen K, Jin M. Worldwide trends in cervical cancer incidence and mortality, with predictions for the next 15 years. Cancer. 2021 Aug 9. doi: 10.1002/cncr.33795. Epub ahead of print. PMID: 34368955.

 

また例によって、

一つだけFigureを紹介したいと思います。

f:id:yambo38:20210907043939j:plain

Figure 4より引用

 

世界中の色々な国のデータが載せられています。指標は対10万人あたりの年齢調整罹患率と死亡率で、

おおまかに青線が子宮頸癌自体の患者数の比率、赤が死亡患者数の比率と考えて頂ければ良いです。

点線は現在の状態での今後の予測になります。

 

全体的な世界の傾向として、

患者数が減少していることが分かります。

 

日本は一時期は減少傾向にありましたが、現在は拡大傾向で、

論文中に紹介されていますが、

過去10年の年平均患者増加率は4.2%で、

増加している他国と比較しても圧倒的に高い数値となっています。

 

 

 

この論文からもわかる様に、

現状を放置するとこのままどんどん拡大傾向になってしまうため、

国も動き出したというところでしょう。

 

赤線の死亡数は大きく上昇はしていないですが、

これは医療水準の高い日本だからこそだと思います。

 

ただ命には影響せずとも、

子宮頸癌の治療をするために子宮を摘出したり、

抗癌剤や放射線治療が必要になってきたりします。

 

 

 

個人的に思う子宮頸癌が一番辛いと思う点は、患者層が若年であることです。

20代-40代の方がたくさんいらっしますし、

中にはお子様を産んだ後に気づいた時には、末期癌に近かったということもあります。

 

今後そういったことが増えないように動くべきだとは思います。

ワクチンも一つだと思いますし、

もしワクチンを受けないのであれば、必ず若いうちから定期婦人科検診を受ける必要があります。

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