【コロナ禍】新婚医師のアメリカ留学記【ニューヨーク州】

コロナ禍で送る海外留学新婚生活日記 (時々真面目な医療ニュースも)

妊娠中もしくは授乳中にコロナワクチンを接種すると、赤ちゃんにも抗体ができる?変異株にも効果はある?最新データをみてみる

まず初めに赤ちゃんの免疫はどのようになっているかの話をしようかと思います。

 

生後6ヶ月ぐらいまでは、胎盤や母乳から移行してきた母親の抗体があり、

それによって病原体から身を守っています。

 

しかし、その母親からの抗体が無くなってしまうと、

赤ちゃん自身の免疫力はまだ未発達のため、免疫力がかなり落ちてしまいます

 

そのために、生後6ヶ月〜1歳6ヶ月の期間が最も感染症にかかりやすいと言われています。

なので、6ヶ月目ぐらいまでにたくさん予防接種を受けないといけないわけですね。

逆に麻疹や風疹は、少し大きくなってから出ないと予防接種を受けれないので、

親が予防接種を受けてなくて抗体を持ってない場合、

子供にも抗体は当然行かなくなるので、感染するリスクが高くなります。

 

 

 

 

それでは、新型コロナだとどうなんだというとこれはよく分からないとこが多いと思います。

ただ当然母親が抗体を持っていなければ子供へも抗体は行きません

以前の記事にも書いた様に、赤ちゃんなど小児で重症化することは稀なことです。

ただ、一番免疫力が弱いタイミングで新型コロナに感染した場合にどうなるか、他の赤ちゃんとの経過が違うのか、などはおそらくまだデータとしては無いかと思います

 

例えば可能性としては低いとは思いますが、

麻疹ウイルスが潜伏期間を経て10年後ぐらいに脳炎を発症したりするように、

長期の潜伏を経て再び発症する、というような可能性も完全に0とは言えないかと思います。

 

しかし、妊娠中にワクチンを打つのというのは

大規模データから既に安全性はデータとして出されてはいますが、

科学的でない理由だとしても、抵抗を持つのは理解できますし、迷う方も多いと思います。

 

以前の記事にも、妊婦及び小児(赤ちゃん)のコロナに関する内容をまとめた記事を書きましたが、 

yambo38.hatenablog.com

 

今回は妊娠中および授乳中にワクチンを接種した場合に、

その抗体(免疫)はどの程度赤ちゃんに影響するのかを調べた論文について紹介したいと思います。

 

 

 

まず前提として、

この記事は事実としてあるデータを一つ提供するという目的で書いています。

実際にワクチンを打つ打たないなどは体の状態をよく把握している主治医などとよく相談してください。

 

科学誌についてあまりよく分からないけど、

どんな感じなのか知っておきたいという方はこちらの記事の前半部分を御参照ください。

(読まなくても簡潔にまとめているので大丈夫です)

yambo38.hatenablog.com

 

今回紹介する論文は少し前になりますが、

こちらの2021/5にJAMAという超一流医学誌(impact factor:56.72)に

掲載されたものになります。

 

Collier AY, McMahan K, Yu J, Tostanoski LH, Aguayo R, Ansel J, Chandrashekar A, Patel S, Apraku Bondzie E, Sellers D, Barrett J, Sanborn O, Wan H, Chang A, Anioke T, Nkolola J, Bradshaw C, Jacob-Dolan C, Feldman J, Gebre M, Borducchi EN, Liu J, Schmidt AG, Suscovich T, Linde C, Alter G, Hacker MR, Barouch DH. Immunogenicity of COVID-19 mRNA Vaccines in Pregnant and Lactating Women. JAMA. 2021 Jun 15;325(23):2370-2380. doi: 10.1001/jama.2021.7563. PMID: 33983379; PMCID: PMC8120446.

 

対象となっているのは、

103名のワクチンを接種した女性(うち妊婦30名、授乳中16名)と、

28名のワクチン未接種でCOVID-19に感染した女性(うち妊婦22名)です。

 

今回も例によって一つだけ、figureを取り上げようと思います。

f:id:yambo38:20210826043820p:plain

Figure4より引用

 

少し見づらいかと思いますが、簡単に説明しますと、

母親の血液・分娩時の臍帯血(臍の緒の中の胎児の血液)・母乳の中の、

新型コロナウイルスに対する抗体(変異株含む)や、

ウイルスなどの免疫反応に重要な役割を持っているT細胞の免疫応答を調べています。

 

結果を羅列しますと、

・臍帯血や母乳には母親の抗体が移行している。

・変異株(α株やβ株)に対する臍帯血や母乳の抗体量は低下している。

・しかし、T細胞の免疫応答は変異株に依らずに、低下することなく維持されている。

 

この論文は有名なので、詳細は知らずとも内容はなんとなく知っていた、という方もいるかもしれません。

今回のにはデルタ株のデータはありませんが、

おそらく同様に抗体量は落ちるがT細胞の免疫応答は維持されることが予想されます。

現在妊娠あるいは授乳中の方は、

自身の免疫によって自分の子供を守る、

という意味でワクチンを接種するのも一つだとは思います。

 

 

 

ただ繰り返しにはなりますが、

実際にワクチンを打つ打たないなどは体の状態をよく把握している主治医などとよく相談してください。

 

もし今後何かこういうデータがあるか論文など教えて欲しいなど教えてください😄

ただある程度の雑誌でないと、研究デザインがいまいちだったり、データの信憑性などが乏しくなってくるため、

取り上げるほどの論文があるかは内容にもよってきますが😓

 

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