【コロナ禍】新婚医師のアメリカ留学記【ニューヨーク州】

コロナ禍で送る海外留学新婚生活日記 (時々真面目な医療ニュースも)

新型コロナ感染により入院した小児患者の長期合併症についての最新論文の紹介。約1/4の入院患児に長期症状の報告

小児のCOVID-19感染についての記事を書いたばかりだったのですが、

 

yambo38.hatenablog.com

 

偶然にも最近COVID-19により入院した小児患者の合併症についての論文が、ロシア・モスクワより出ていましたので紹介しようと思います。

 

前の記事でも紹介したように小児の感染患者が多くなってきているため、注目されてきているのかもしれません。

 

紹介する論文はこちらになります。

erj.ersjournals.com

Osmanov IM, Spiridonova E, Bobkova P, Gamirova A, Shikhaleva A, Andreeva M, Blyuss O, El-Taravi Y, DunnGalvin A, Comberiati P, Peroni DG, Apfelbacher C, Genuneit J, Mazankova L, Miroshina A, Chistyakova E, Samitova E, Borzakova S, Bondarenko E, Korsunskiy AA, Konova I, Hanson SW, Carson G, Sigfrid L, Scott JT, Greenhawt M, Whittaker EA, Garralda E, Swann O, Buonsenso D, Nicholls DE, Simpson F, Jones C, Semple MG, Warner JO, Vos T, Olliaro P, Munblit D; Sechenov StopCOVID Research Team. Risk factors for long covid in previously hospitalised children using the ISARIC Global follow-up protocol: A prospective cohort study. Eur Respir J. 2021 Jul 1:2101341. doi: 10.1183/13993003.01341-2021. Epub ahead of print. PMID: 34210789.

 

以前の記事で科学誌の見方について少し説明しましたが、

yambo38.hatenablog.com

 

今回のjournalはeuropean respiratory journalという欧州の呼吸器系の雑誌で、

impact factorは16.67という一流誌になります。

 

 

 

対象はCOVID-19により入院した18歳以下の患者で、退院後の症状について調査しています。

また、今回も一つだけfigure/tableを引用したいと思います。

 

f:id:yambo38:20210722035342j:plain

Osmanov IM, Spiridonova E, Bobkova P, et al. Risk factors for long covid in previously hospitalised children using the ISARIC Global follow-up protocol: A prospective cohort study. Eur Respir J. 2021 Jul 1:2101341. doi: 10.1183/13993003.01341-2021. Epub ahead of print. PMID: 34210789.

Figure 2より引用

 

およそ退院後6-7ヶ月後の調査時点で、全体の24.3%の患児に症状が持続していたのですが、

このグラフは、その退院時の具体的な症状が、時間経過と共にどのように推移するかを示していて、以下の通りでした。

 (症状)     (退院時%) → (6-7ヶ月後 %) 

疲労感            15.8% → 8.8%

嗅覚障害          8.7% → 4.7%

睡眠障害          7.5% → 5.8%

味覚障害          5.6% → 3.1%

頭痛                 4.6% → 3.5%

呼吸器症状       3.9% → 1%

 

ただ中には退院後に新たに症状が出現して持続している症状があったりするので、

調査時の有症状者は上記より少し上がっているようです(例えば、調査時に疲労感の症状を訴えてた患児は10.7%)。また、調査時に複数の症状を持つ患児も8.4%いたとのことです。

 

詳細が気になる方は読んでみてください。

 

 

ただ、この前の記事でも書いたように、統計上は実際に小児で入院が必要となることは少数ではありますし、COVID-19以外でもウイルス感染して入院したら退院後も症状が続く場合もあるでしょうから、過度な心配は不要かと思います。

しかし、もし入院することになって退院後も慢性的な症状が残ると大変ですから、お子様がいる家庭では十分注意をするに越したことは無いでしょう。

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